緑のおはなし
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■平馬通信■
ヨーロッパに見る可憐な花たち  NO16

『イギリス 王立エディンバラ植物園のロックガーデン』


 ロックガーデンを管理している者にとって、一番感激を味わえる時は、きれいに整備された環境で、四季折々に元気に顔(芽)を出してきた花達に再び会える時であり、花がほころびながら開いて行く様を見る時ではなかろうか。そこには自然界に生命をゆだねた植物たちが懸命に命を守り、生きて行こうとするけなげな姿と各々が持つ花の美しさが加わって、ロックガーデンの独特な景観や環境の中で、一層楽しめる要素ともなっている。

(1)早春のロックガーデンに美しい〈Bulbocodium vernum〉 ユリ科 ヨーロッパ アルプス原産。
 3月のスクリー(砂礫地)でライラック ピンクのクロッカスに似た花が咲き出し、人目を引きつける。草丈5〜15cm程度。

(2)岩間の湿った所が好きな〈Haberlea rhodopensis〉 イワタバコ科 バルカン半島原産。
 軟毛に覆われた葉がローゼット状につき、4月頃その中央から2〜5花、淡いライラック色の花が咲くイワタバコの仲間。

(3)何とも清楚で可憐な花です〈Gentiana bellidifolia〉 リンドウ科 ニュージーランド原産。
 濃緑色でつやのある小さな葉がローゼット状につき、7〜8月に背の低い茎頂に一個の白い大き目の花が咲く。

(4)ホタルブクロに良く似た〈Symphyandra hofmannii〉 キキョウ科 ボスニア原産。
 夏に岩組の上で草丈いっぱいに白いホタルブクロに似た花を下向きに咲く。

(5)ロックガーデンでは異色の〈Bulbinella Hookeri〉 ユリ科 ニュージーランド原産。
 細い葉が密集した中から花柄を伸ばして、明るい黄色の花を6月頃に咲かせ始める。

(2004/05/17号 平馬 正 著

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