緑のおはなし
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■平馬通信■
ヨーロッパに見る可憐な花たち  NO17

『イギリス 王立エディンバラ植物園のロックガーデン』


現在、植物園では絶滅の恐れがある植物も保護の対象として、増殖培養をやるようになっている。大きな植物園では昔から専門のコレクターがいて、種子などを採取してきて培養をしてきたわけで、もう自然界になくなったものでも植物園には残っている貴重な種もあると思う。ここエデインバラ植物園では、現在、アルパインハウスもあるのでデリケイトな植物だけでなく、NO(3)のカルセオラリアなどは、ぜひ平鉢で栽培して見たい一種である。

(1) 天女が着る羽衣のように美しい〈Aethionema grandiflorum〉 アブラナ科 レバノン、アルメニア原産。
5〜8月に淡いローズ色の花がラフに集まって咲く様は、羽衣のようにさえ見える。

(2) 美しいクッションをつくる〈Draba bryoides v.imbricata〉 アブラナ科 コーカサス原産。
日本のイヌナズナの仲間で、4月頃黄金色の小さな花がクッション上に咲く。

(3) おどけた愛嬌のある花〈Calceolaria darwinii〉 ゴマノハグサ科 マゼラン海峡原産。
ロックガーデンの中で最も変わった珍しい花の一つで、茎葉より大きめの花が夏に咲く。

(4) 岩組みを背景にして白花が目立つ〈Celmisia petiolata〉 キク科 ニュージーランド(南島)原産。
葉裏や花柄が絹毛に覆われ、茎頂に径5〜7cmの白い花が夏に咲く。

(5) ベル型の可愛い紅紫色の花〈Allium narcissiflorum〉 ユリ科 イタリア北部、コーカサス地方原産。
とてもネギやニラの仲間とは思えない花が6〜7月に咲く。

(2004/05/31号 平馬 正 著

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