緑のおはなし
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■平馬通信■
ヨーロッパに見る可憐な花たち NO19

『イギリス 王立エディンバラ植物園のロックガーデン』

 パスの近くで岩組みのゴツゴツ感を和らげる役目をする植物は宿根草で、背丈が中型、あまり茂り過ぎないものが多い。パスは小砂利敷きなので、あまり這い出してきても困るし、茎は直立するもので通路側に倒れにくいものが多い。また、蜜が多くて昆虫(ハチ類)が集まり過ぎるような花だと、人に危険でもあるので、配慮して選ばれている。

1. おっとりしていて品のある花〈Codonopsis clematidae〉 キキョウ科 カシミール原産。
 夏に淡いブルーのベル形の花が下向きに咲くので、岩組みの上に植えて下から眺めるのも風情がある。

2. 日本のシモツケソウの仲間〈Filipendula vulgaris〉 バラ科 ヨーロッパ、小アジア、シベリア原産。
 6〜7月頃、花弁の外側が淡紅色がかった白色の花がラフな円錐花序に集まって咲く。

3. オレンジ色をしたキンバイソウの仲間〈Trollius ledebourii〉 キンポウゲ科 東シベリア原産。
 5〜6月頃に花弁が10〜12枚のカップ型をした、濃いオレンジ色の花が咲く。

4. 花は暗赤色の〈Astrantia carniolica〉 セリ科 旧ユーゴスラビア原産。
 葉が大きく5〜7裂し、花は6月頃に咲く。白花と赤色、濃赤色とある。

5. 直立するヴェロニカ〈Veronica incana〉 ゴマノハグサ科 ロシア原産。
 灰白色の茎葉の先端に、7月頃ブルーの美しい総状花序をつける。

(2004/06/28号 平馬 正 著

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