緑のおはなし
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■平馬通信■
ヨーロッパに見る可憐な花たち NO24

『イギリス王立エディンバラ植物園のロックガーデン』


 ヨーロッパ アルプスでも北イタリアのドロミテ山脈に見られる植物は、全てが石灰でできているので、種類も余り多くはないがNO5のPotentilla nitida がいたるところに生えている。この山のスクリー(砂礫地)は、上部は次々と新しい岩が落ちてきて、移動性があるので下方の安定した場所を選んで、植物は根を下ろして生えている。根も乾燥に負けないためにかなり地下部に達していることが考えられる。



(1)トリプル ハイブリドと思われる〈Sempervivum X Funckii〉 ベンケイソウ科 交配種。
 ローゼット状の葉は固まって地を這い、直立する茎は約20cm。7月に花弁が11〜12個の紅紫色の花が咲く。

(2)ヨーロッパ アルプスの岩の割れ目などに咲く〈Primula auricula〉 サクラソウ科  ヨーロッパ アルプス原産。
 岩陰で卵形のぶあつい葉に、明るい黄色の花が春に咲く。

(3)ピレネー山脈からきた〈Ramonda myconi〉 イワタバコ科 ピレネー山脈原産
 暗緑色のおおきな葉に、4〜5月真黄色のおしべをもつ紫色の花が咲く。

(4)ほとんどAlyssum(ニワナズナ)に近い〈Schivereckia doerfleri〉アブラナ科 バルカン半島、小アジア原産。
 灰緑色の茎葉がマット状になり、白い花が春に咲く。

(5)日本のキジムシロの仲間〈Potentilla nitida〉 バラ科 南アルプス原産、特にドロミテの石灰岩のスクリーに多い。
 この仲間が黄色い花のものが多いが、これは明るいローズピンクの花が初夏に咲く。

(2004/09/21号 平馬 正 著

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